SmokeでREDのワークフロー

バージョン2010のときにリリースされたWiretapCentralですが、ちょうど1年くらいが経過したことになりますね。WiretapCentralはAutodeskのFlameやSmokeのソフトウエアとは切り離して、Webインターフェースにより並行作業ができる利点があります。また、本体ソフトウエアとは異なる開発ペースでバージョンアップできるので、今後出てくるかもしれない新しいデバイスへの対応もこのWiretapCentralが吸収してくるのだと思います。
今回はMac版のSmokeで検証しましたが、Linux版でも同じ手順でできると思います。今回のRED素材の事前編集は、R3Dファイルとセットの_M.movファイルを使ってFinal Cut Proで行いました。1024×568での画面サイズになります。このときの最大の注意点はReel nameです。A008_C006_0714RJ_001.R3Dのようなファイル名の場合は、A008のようなReel nameが付けられるかもしれません。この場合は、必ずA008_C006_0714RJのような16文字の名称にしておきましょう。この部分の修正は後の段階でも可能ですが、なるべく不確定要素を排除した方がいいので、早い段階で済ませておくのがお勧めです。
編集が済んだらxmlファイルの書き出しです。version4、「選択以外のマスタークリップも含める」off、「プロジェクトを最新のクリップメタデータに保存」onで出力します。書き出し先は、/usr/discreet/project/project_name_dir/edlを指定しました。デスクトップを指定すると、なぜかSmokeから存在しないパスのエラーが出たので、解決策としてプロジェクトのディレクトリにしました。R3Dファイル群も同じ理由で/mntや/Volumesのようなところにします。R3DがすでにMacの中にある場合は、さきのprojectディレクトリのimagesなどに移動するといいでしょう。コピーにはならないので短時間で完了すると思います。読み込み終われば必要に応じて元の位置に戻します。
Safariを起動してURLに「localhost」を指定してアクセスすると、自分自身のMacのWeb共有されている階層にアクセスして、あらかじめインストールされている画面が現れます。BackburnerとWiretapCentralのリンクがあるので、後者をクリックします。この先のインターフェースは、すべてマウスクリックでの操作になります。間違ってもキーボードショートカットは使わないようにします。左のリストにGatewayとIFFFSがあるはずです。前者はそのMacのファイル階層すべてにアクセスするためのツリーで、後者はAutodeskソフトウエアが扱うライブラリにアクセスできます。


メニューからImport>Redを実行します。InputタブのR3D FilesからTimecodeを選択します。TODかEdgecodeが選択できます。続いてFCP XMLに移動してLoad XML Fileから先に書き出したFCPのxmlファイルを指定します。この状態ではまだxmlにR3Dがリンクされていないので、Search for SourceからR3Dのディレクトリを指定します。リストの中のStatusがすべてFoundになればクリアです。ひとつでもmissingになっているとレンダリング漏れにになるので、手動で指定します。タイムコードが編集時と異なっているとfoundにならないので、その場合には再チェックしてみてください。
次にSettingsタブに移動してR3Dから取り込むときの色調整やサイズ修正などを行います。ここでの設定はREDAlertなどと同じです。注意点は、すべて設定した後に、右側のカットすべてを選択して、Applyを実行することです。これをしないと設定が反映されませんの要注意です。
Outputタブに移ります。書き出し先のライブラリを指定します。「Add…」ボタンから決定します。このときに指定するツリーはIFFFSです。
最後にSubmitタブです。一番上のNameに任意の名前を入れます。これがJob Monitorでの識別に役に立ちます。必ず指定します。「Submit Job」ボタンを押すことでレンダリングが開始されます。Statusの一番下の行に「Job submitted successfuy」となっているはずです。Job Monitorタブに移動すると、進捗状況が%で出ています。%Doneが100になるまで待ちます。
ここまで無事にたどり着いていれば、残る手順は少しだけです。Smokeを起動して先ほどWiretapCentralで指定したライブラリの中を見れば、R3Dからデジタル現像された素材がずらりと並んでいるはずです。importからXMLを指定してFCPから書き出したxmlファイルを取り込みます。recaptureの画面を表示させないために、Skip RecaptureだけをONにします。これでライブラリの中にxmlから取り込んだFCPの編集結果があるはずです。ただし、このままではメディアの接続ができていないので、UNLINKED MEDIAになっています。

ToolsメニューからConsolidateでxmlの結果に手を加えます。取り込んだままの状態では、編集点の情報に加えて素材の全長も含まれています。先に実行したWiretapCentralのデジタル現像では、FCPの編集結果に対してノリシロが含まれていないhandle値0でした。このxmlに対しても同じようにハンドルを削除することが必要です。ConsolidateからAll Tracksにして、Handlesを0にした後にConsolidateを実行します。

さらにUnlink/RelinkメニューからReformatを選択します。FCPの編集では最終解像度よりも小さなサイズで編集していることが多いと思います。xmlとWiretapCentral済みの素材のフォーマットが同一になっている必要があります。素材クリップをoptionキーを押しながらメタ情報を確認して、xmlクリップをReformatします。

最後にRelinkをかけるのですが、Relink機能はライブラリ内の同一Reelにしか適用できないので、xml結果のUNLINKDのクリップを素材のReelに移動します。これでRelink From Reelを実行すると、WiretapCentralでレンダリングしたクリップがxmlの編集結果とリンクできます。
現状バージョンのWiretapCentralでは、R3Dのオーディオが取り込まれません。これは次期バージョンに期待するしかありませんが、必要な場合にはWAV形式に変換して別途手動で取り込むことになります。また、WiretapCentralではFCPの編集結果に対してノリシロが付けられませんでした。この点も今後のバージョンアップで期待したいです。
REDのワークフローをAutodesk製品でやることの利点は、素材の持つビット深度を有効にファイナルの編集ステージに持ち込めるところだと思います。R3Dは12bitの階調を持っていますので、必要な場合にはSmokeの中でも4096ステップのデータを使って編集することは可能です。この場合にはストレージに対する要求仕様は高くなるのは注意が必要です。
検証していていくつかの難解な点はあったものの、理解できると動作の安定性は高いので安心感がありました。十分REDのワークフローで現場で使える手法の一つであるとお勧めできます。
今回検証した環境です。
Mac OS X 10.6.2
QuickTimeX/7共にインストール
Final Cut Pro7.0.1
Autodesk Smoke for Mac 2010.2.1 Trial version