Rec.709改め、BT.709

私もつい最近までは正確に理解していなかった、通称709。大半の方々はRec.709と呼んでいると思います。私もそうでした。今回はこの通称709について、正確に理解するための情報をお届けします。まず最初に、正確に表記する時には「BT.709」が正解です。Rec.709という表現は誤りで、正確ではありません。その背景にある事実を説明したいと思います。

この709の標準化を進めているのは、国連の専門機関の一つであるITU(国際電気通信連合)です。名称から想像できるように、無線通信をはじめインターネットでの通信もカバーしています。ITUの中には三つの技術部門があります。

  • ITU-R|無線通信部門
  • ITU-T|電気通信標準化部門
  • ITU-D|電気通信開発部門

709はこの中のITU-Rである、無線通信部門が標準化を担っています。規格というよりは、勧告(Recommendation)という形式により、世界に発信しています。ITU-Rの中にはさらに、SNG(Satellite news gathering)、BR(Recording for production, archival and play-out; film for television)、BT(Broadcasting service television)など16のシリーズと呼ばれるカテゴリがあります。

709は正確には、Recommendation ITU-R BT.709-6となります。国際電気通信連合の無線通信部門の709番目の勧告バージョン6となります。勧告書の表紙には大きくRecommendationと書かれているので、最初に短く省略した人がここを引用したのかもしれません。709の勧告はPDFでもダウンロードできますが、1ページ目の表紙はこのようになっています。

正確にはBT.709と呼ぶのが妥当だと理解していただいたかと思います。しかし、DaVinci Resolveの中のプリセット名にはRec.709〜のように表記されていたり、他のソフトウエアやシステムでも、Rec.709を使っている方が多数派だと思います。ですので、あまり目くじらを立てて「正確にはBT.709だぞ」なんて指摘するのは、人間関係を悪くするだけです(笑)。文章などで正確な表記の時にはBT.709を使い、会話の中ではRec.709も併用する。というのが現実的な使い方ではないかと個人的には考えています。