熱意は技量を高める
ある映像作家の方のご自宅に伺って、対面講習会をやらせていただきました。本業のお仕事とは別に、音楽活動と合わせてミュージックビデオを作られています。どうせ動画をYouTubeにアップするのなら、SDRではなくHDRで作りたい。そこで技術的な面をカバーしたいと、私に講習の依頼が来ました。
DaVinci Resolveを使って映像の編集とカラーコレクションをすでに行ってきたものの、本当にその色が正確なのか?と心配になられて、モニターの設定やキャリブレーションについて再確認したいとのご要望がありました。事前に私の方で、その意向に沿ってスライドを準備したのですが、質問に次ぐ質問で、スライドの説明は無しで、後日目を通してください。となったほどです。質問が次々に出てくる背景には、日々疑問を持ちながら作業をやられていたことがうかがえます。
疑問が一つクリアになると、さらなる疑問が出てきて、まるでゲームの対戦のように相手をやりこめて、次に進んでいくようでした。その根底にあるのは、その方の熱意です。ゲームの中の自分のキャラクターのハートポイントのようなもので、それが残っている限りどんどん進んでいくことができます。まさにそんな感じでした。
映像技術の中には、少し難解に感じる面も少なくないと思います。ただ、関係する情報を合わせて、外堀を埋めるようにして実技を伴えば、何回かぶつかっていけば理解できると思っています。そのためには背中を押す誰かがいればいいのでしょう。終了時の満足そうな表情が見られて、私もとても満足できる対面講習会でした。