Scene Referredを解くヒント
DaVinci Resolveのユーザーマニュアルにも登場する、Scene Referredというキーワード。その中で対義語のように書かれているDisplay Referredと合わせて、最近徐々に目にするようになってきました。私もまだ「100%理解した」とまでは行っていませんが、理解を深めるためのヒントを紹介します。
Scene Referredは、何かを参照している状態を示していますので、この場合はシーンライトを参照している状態になります。言い換えると、カメラが置かれている撮影場所のライティング、もしくは太陽光からの光をカメラで記録している状態と言えます。Display Referredの方は、モニターが発する光を参照していることになります。その光の状態は、BT.709であったり、BT.2020、Display P3だったりします。厳密にはDisplay Referredという言葉はなく、Output Referredになり、その中のBT.709参照。と言うのが適切だと私は理解しています。
そもそもこの〜Referredは、誰がどこで規定しているのでしょうか?その部分が書かれている解説記事にはお目にかかったことがありません。これは、ISO 22028-1:2016の中に規定されています。ただ、これはデジタルイメージの分類のための規定ではなく、ISO 22028-1:2016の副産物です。冒頭にはこのように書かれています。
ISO 22028-1:2016は、デジタル画像の保存、操作、および/または交換を伴うデジタル写真および/またはグラフィック技術アプリケーションに使用される拡張ガムットカラーエンコーディングが満たすべき一連の要件を規定しています。(途中省略)
ISO 22028のこの部分はまた、拡張カラーエンコーディングを多数の異なる画像状態に分類するために使用できる、多くの一般的なワークフローを包含する参照画像状態に基づくデジタル画像アーキテクチャを記述している。
このようにデジタルイメージを扱う際の取り決めがISO 22028-1:2016で、その中にイメージデータの分類も合わせて書かれているのです。