REDが起こした革命

昨日RED DIGITAL CINEMA社が、日本のカメラメーカーであるニコンの子会社になるという発表に、またまた驚かされた方も多かったと思います。REDからの発表は、たいていユーザーやウォッチャー達をアッと言わせる内容なのですが、今回も同様でした。

日本にREDがやってきたのは、私の記憶では2007年くらいだったかと思います。日本に「来航」するまでには、Webサイトでスペックだけは公開されていたと記憶しています。映画を撮るためのシネマカメラという位置付けで、スペックの大半が斬新的に見えました。私が注目したポイントの一つが、記録メディアでした。コンパクトフラッシュカードに4K動画を記録すると言います。そんな馬鹿な、クレージーだ、と正直感じたものです。デビュー直後はユニークなトラブル(笑)もあったものの、それを上回る期待感と興奮に包まれたことが懐かしく思い出されます。

私はポストプロダクションを中心に活動してきた映像技術者ですが、畑が違う撮影機材にこれほど注目したことはそれ以前にはありませんでした。なぜ注目せざるを得なかったかというと、REDが登場することによって、映像制作のワークフローが大きく変化してしまうからです。当時はワークフローという言葉すらまだ定着していないような状況で、映像はビデオテープに記録するもの、というある意味決まりごとのような風潮でした。REDの登場でワークフロー改革の波がやってきて、ファイルベースワークフローが一気に普及して定着したのです。

REDは4K解像度で撮影できるシネマカメラ、という特徴が大きく前面に出ていたと私は見ていましたが、どちらかと言えば、映像制作の作り方を一気に変えてしまったゲームチェンジャーであり、革命児だったのだと私は理解しています。この先日本のカメラメーカーであるニコンが親元になるわけですが、REDがどのように今後生きていくのかは、変わらず見ていきたいと思います。

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