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私の初見DaVinci Resolve16


Blackmagic Designは本日、次期バージョンのDaVinci Resolve16を発表して、同時にパブリックベータ版を全世界にリリースしました。現地発表会はリアルタイムでストリーミング配信されましたが、迂闊にも私は時間を間違ってしまい、リアルタイムで見ることを逃してしまいました(汗)。CEOのグラントさんのプレゼンテーションも必見ではありますが、Resolveだけの新機能紹介の動画もあるのでResolveファンの方はそちらこそ必見です。それを見た印象を私の個人的な初見として残しておきたいと思います。

商売上手なBMD

NAB前に毎年感じていたのは、もうこれ以上新機能や新しい仕組みが出ないだろうと。私の凡人的な発想に比べて格段に先に進んでいます、BMDの開発陣とCEOは。そして、BMDの開発者たちはユーザーだけを考えるのではなく、きちんとそれを彼らのビジネスに繋がるように製品をリリースしているのだなあと、今回の発表を見ながら感心していました。

新しいEditor Keyboardは個人的には使うことはないのですが、Editを専門にしているエディターがResolveにどっぷり浸かって使うには、やはり専用のキーボードはリクエストが多かったのだと思います。それは単にユーザーの満足度を高めることだけではなく、自分たちのビジネスにつながる新製品としてラインナップに追加されました。この辺りのバランスが他社には無い素敵な姿勢だと感心します。いくらユーザーが喜ぶ製品を世に送り出していても、その企業が健康でなければ会社自体がなくなってしまいます。近江商人の三方よしでは無いですが、ユーザーが喜んでメーカーも幸せになる。その結果この業界も活気づいて来る。そんな生態系が長い目で見ると理想なわけですから、BMDさんもずっと健康でいてほしいと切望します。

目を引くResolveの新機能


私だけではなく待望していた機能がやっと実装されました。デモやトレーニングの際に真っ先に、そして口を酸っぱくして伝えていたのがプロジェクトとFPSが固定されている制約についてでした。これを間違うと後から痛い目に合うため、必ず初期段階で念入りにチェックしてくださいと。バージョン16からはこの心配がなくなります。シーケンスを作る際にオプションを開けば、解像度と共にフレームレートが個別にセットできることを確認しました。これにより、4k60fpsでタイムラインを作っておいてから、別途HD30fpsのタイムラインを別バージョンで簡単に作れるようになります。4k放送が始まっている日本では強く望まれていた機能でした。

本当は一番目に紹介すべき新しいページCutでしたが、それ以上にFPSが柔軟になったところが既存ユーザーにはありがたいところでした。そのCutですが、Editとの使い分けや存在意義については私には今のところ明確な答えが見つかっていません。第一印象では、Adobeで言うところのPreludeのような撮影現場で行う手短なカット選択と迅速な編集に対応するようなイメージです。しかし、Editには無い独自の編集機能もあるため、単にEditページの簡易版では片付けられません。この辺はこの先じっくり使いながら向き合いたいと思います。

そして、Resolveにもやっとニューロエンジンの恩恵がやってきました。FCPでは初期の頃から顔認証機能がありましたが、Resolveでもバージョン16でこれが使えるようになりました。ドキュメンタリー編集では活躍するかもしれません。このAIのパワーは最近の編集には付き物のバレ消しにも活かされているそうで、人の感覚に近づいた処理に発展しているようです。コンポジット作業はクリエイティブな面は多い反面まだまだ人力で解決しているところもあるので、クリエイティブな時間に多くを割けるように省力化してくれると嬉しいです。

既存のページでは大きな新機能は控えめですが、Colorページにはカラーメーターの機能が追加されています。スコープには新たにCIE1931xyが追加されて、カラーガマットのスペース内にどのような分布になっているかが目視できるようになりました。Rec2020など広い色域が一般的になると、狭い空間のRec709との相互変換で色がどのように破綻するかが視覚的に認識しやすくなるのでありがたい機能です。さらにトーンカーブ内にヒストグラムが重ねて表示されるのでスコープなしでも直感的に確認できるようになりました。個人的にはカラーホイールよりもトーンカーブを好むため嬉しい機能です。

地味ではありますが、Fairlightページに追加されたオーディオのピッチ調整機能も編集時には便利だと思いました。映像に対して別撮りした音声部分で差し替えたい時に、ピッチを視覚的に調整できると違和感を軽減できます。これまでにもスローモーションやファストモーションではピッチコントロール機能はありましたが、さらに微調整ができるので作業は増えはしますが精度の高い編集ができます。

DaVinci Resolveの今後

最近YouTubeでの情報収集が増えてきたからかもしれませんが、私の感じではResolveの新規ユーザーになるのは映像業界どっぷりな層ではない気がしています。ユーザーの裾野が広がってきているわけで、「これさえ使えれば後処理は大丈夫」のようなResolveに対する評価が高まると良いなあと思っています。

今後は特に映像業界で生きてきた人たちは、「Resolveはカラコレでしか使わない」なんて言っていられなくなります。Editもコンポジットも、そしてサウンドも基本的なところは使えて当然のような時がすぐそこまで来ています。機能がどんどん増えるので、バージョン16ではユーザーマニュアルが遂に3,000ページを超えることでしょう。これを全て理解する必要はありません。新しく引っ越してきた街をGoogleマップで見た時に、全てのストリート名やそこにあるお店を知っている必要はありませんよね。自分の好きなお店や場所から徐々にその街がどんなところなのかの理解を広めていきます。Resolveもそれと同じなのです。全ての機能を理解することはある意味不必要で、自分にあった好きなところから身につければ良いと思います。道に迷えばPDFマニュアルの中を検索してみてください。

毎年4月から夏過ぎまではResolveベータを追いかける時期です。まだ肌寒い季節ではありますが、気持ちの中は徐々に熱くなり始めています。

2 thoughts on “私の初見DaVinci Resolve16

  1. KOJI

    FPS可変はすばらしいというか、これでやっと枕を高くして寝られるほど、あって当然な機能でしたね。
    ピッチ可変を求める訳ではなく、59.94から23.976までなあらゆる素材と、対応するタイムラインのフレームレート変更が必要に迫られるのに、従来最も頭の痛い問題でした。
    23.976もしくは24.000しか扱う必要のないハリウッド映画やさんでは、重要度が低かったのかなとも感じます。
    あと29.97fpsタイムラインのデリバーで1080/59.94iを指定すると、119.88iという異常なクリップが出力されてしまうのも、未検証ですが治ってくれてると嬉しいです。

    返信
    1. yamaq

      確かに枕を高くして寝られます(笑)これまでどうしてこの機能が搭載されなかったかが不思議でしたからね。

      ユーザーとしては、まずはこのマルチFPSは過信せずに、バグが潜んでいる前提で徐々に使いこなす気持ちが落とし穴予防には効果的かと思います。でも嬉しい(笑)

      返信

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