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改めてRAWデータ考察

昨日はユーザー会EIZOSALONの日でした。今回のテーマはBlackmagicRAWで、メーカーからゲストをお招きしてBMDのRAWファイルというのはどのようなものか、を参加者で学んできました。去年の9月、IBC開催に合わせて発表されたBRAWでしたが、現状ではURSA miniだけの対応で非常に勿体無い状況です。AppleのProResRAWも状況に大差はなく、Logが映像業界に定着した感は否めません。そこでRAWデータについて改めて考察して、今後の進化が映像制作にどのように役立つかの知識を深めたいと思います。

RAWデータのファイルサイズ、実は小さい

RAWデータはフィルムのネガに相当して、クオリティは維持できるけどファイルが重たい。という理解が世の多数を占めていると言えます。確かに編集アプリなどでプレイバックをするためには、非常に高いコストが必要になります。動画RAWデータの草分けであるRED社では、重たいRAWのために処理を高速化するためのREDROCKETという製品を別途用意していたくらいです。漠然と重たいと思っているRAWデータですが、実はファイルサイズ自体は一般的なRGBやYCbCr形式に比べると小さいことをご存知でしょうか?

この図を見ると明らかで、これはRAWやRGB/YCbCrとの比較ですが、計算をしてみるとRGB10bitに比べてRAW16bitは約半分のファイルサイズで済むことがわかります。実際にはメーカーごとにファイルに記録する際に処理が加わってこの通りではないのでしょうが、計算上でのファクトはこのようになります。重たいのはデモザイキングやディベイヤーと呼ばれるピクセルの中のRGB値を計算する際のコストが大きかったことが原因でした。この計算が長くかかるため、その待ち時間で動画の再生でコマ落ちが発生することに直結しているのです。

BRAWの賢いところ

Blackmagicさんが製品化している通称BRAWは、ディベイヤー前の情報を記録しているのでファイルサイズも肥大化していないとの説明でした。またCinemaDNGやDPXのような連番形式ではないので、記録メディアのセクターサイズとの関係で記録密度の効率悪化を抑えられます。まあこれはムービーファイル全般のアドバンテージなのでBRAWだけの利点ではありません。

そして、BRAWの賢いところはRAWデータのハンドリングで課題である、ディベイヤー処理をファイル構造と分離しているところです。もしも将来優れたディベイヤー理論が確立されて使えるようになると、現在よりも未来の方が同じ素材を使っていても画質を高められる可能性があるのです。これはとても素敵な仕組みだと思います。技術は必ず進化するので、将来に向けた可能性を残しておけるのです。

クオリティコントロール

現在唯一BRAWが使えるURSA miniでは、固定ビットレートと固定クオリティが選択できます。固定ビットレートはProResコーデックなどでも採用されている方法で、目標とするデータレートを非圧縮に対してどのくらいに抑えるかを設定して、多少のブレは許容するという圧縮です。

Webサイトから引用したグラフのように3:1から12:1までの4段階が選択できます。これに対して固定クオリティはQ0とQ5の2タイプです。緑色の葉っぱが風に揺らぐようなカメラが苦手とする被写体の場合は、固定クオリティの方が有利だとのことで、画像を記録するためのデータ量にもそれが現れています。BMDの見解では固定ビットレートでは12:1で十分で、クオリティを稼ぎたい場合は固定クオリティのQ0が用意されているとのことです。

動画RAWの今後は?

シネマカメラのデファクトスタンダードがLogになった今、改めてRAWに取り組むのはどうなんだろう?との意見もあるでしょう。しかし、LogもRAWもより多くの情報を記録してデータサイズをコンパクトに抑える技術です。一つの技術であるので時間の経過とともに優位性は変化することがあり得ます。CPUの進化に先が見えGPUにその代わりに走り続けてもらわなければならない現在、GPUの処理能力向上はRAWにとっては大きな味方になれる可能性があります。そのためにもBMDは、eGPUを製品化したのかもしれません。

8kなどの解像度が高くなっていく速度とGPUの進化を比較して、どちらが先に進むかでこの辺りの動向が影響を受けるでしょう。F1レースのように、エンジン、排気系、ボディ、タイヤ、そしてドライバーのようにハードウエアとそれを操る人の関係があるように、映像を作るレースでも同じような構図があるのです。技術の進化が速く安全に走り続けられるかに関係していきます。直近では動画のRAWは、採用するメーカーが増えるかどうかが予想できないのが課題です。コーデックに関してはカメラメーカーは積極的に取り組みたくない事情を感じるので、Blackmagic Designのようなカメラも製品化しつつDaVinci Resolveのようなポストにも重きを置いているメーカーの、少しずつの前進に期待したいところです。

メーカーのWebサイト

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