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DaVinci Resolve15.2.3でのビューワの色

先日バージョン15のファイナルバージョンかもしれない、DaVinci Resolve15.2.3がリリースされました。更新点はいつもに比べれば少なめでしたが、その中のひとつに意味深な色の表示に関する項目がありました。気になったので、確認してみました。

リリースノートから引用すると、次のように書かれています。

Improved color consistency with QuickTime player on MacOS when display color profiles is enabled
(Google翻訳)カラープロファイルの表示が有効になっているときのMacOS上のQuickTimeプレーヤーとの色の一貫性が向上

さらっと書かれていますが、気をつけないと、15.2.2に比べてビューワの色味が変わっていると言うことです。どこの設定かと言うと、Preferences>System>Generalにあります。Use Mac Display Color Profiles for ViewersのチェックボックのOn/Offで変わります。


Macintoshのアプリケーションの基本動作は、macOSが統括している色管理システムColorSyncによって、ウインドウやメニューバーDockなどのコンポーネント毎にディスプレイ出てくる光をコントロールしています。単体のディスプレイが行なっているカラーマネージメント機能とは、関連はありますが別の仕組みです。macOSが制御している色調整は、Digital Color Meterを使えば確認できます。カラーチャートを使ってこのあたりの色の変化がどうなっているかを確認してみました。各パッチの最初のコードバリューがオリジナル、右側の方がResolveの上記チェックボックスを入れた時です。

パッチ1(赤)175, 54, 60 → 171, 70, 72
パッチ2(緑)70, 148, 73 → 98, 156, 91
パッチ3(青)56, 61, 150 → 65, 68, 156
パッチ4(白)243, 243,242 → 244 , 244, 244
パッチ5(グレー)122, 122, 121 → 134, 133, 133
パッチ6(ダークグレー)52, 52, 52 → 60, 59, 60

カラーパッチでの確認なのですべての色を見るのが基本ではありますが、上記の六つくらいを見るだけで傾向は現れています。全く色の操作をしていないビューワの場合は、RGBのコードバリューの数値はピクリとも変動がないからです。Preferencesのチェックを外すとコードバリューのカラーシフトは起こらず、数値はオリジナルと同じでした。

今回このような挙動になった背景には、Resolveで書き出したクリップをmacOS標準のQuickTime Playerで見ると、カラーシフトが発生する。というトラブルに対応するためではないかと思われます。これまで私の場合は、これを回避するためにmpvなどのカラーシフトしないビューワを使うことを推奨してきました。Preferencesのチェックを付けることは、ColorSyncに基づいた色でビューワを見ていることになります。この仕組みを利用すると、Macを別のものに入れ替えても、発色が極端に変わらないことが約束される訳です。ただし、その色が我々映像制作者が期待しているRec709やsRGBの規格にどのくらい近いかは別問題です。ちなみにDaVinci Resolveの一つ前のバージョンである、15.2.2ではどうだったかを確認してみました。

パッチ1(赤)175, 54, 60 → 158, 54, 54
パッチ2(緑)70, 148, 73 → 81, 140, 72
パッチ3(青)56, 61, 150 → 45, 50, 139
パッチ4(白)243, 243,242 → 242, 242, 241
パッチ5(グレー)122, 122, 121 → 115, 115, 114
パッチ6(ダークグレー)52, 52, 52 → 41, 41, 41

これはチェックボックスを入れていた時の結果なので、ずっとこの状態で設定を変更せずにResolveを使い続けていて、バージョンアップを実施すると15.2.2と15.2.3とでビューワの発色が変わることを意味します。とても危険です。後方互換性が必要で、異なるバージョンを使っている複数のスタッフ間でResolve作業をするときには、Preferencesのチェックをお互いに外して運用することで同じ色で表示できます。今回の15.2.3での更新によって、今後Resolveをどのように使えば良いかの指針をまとめると下記のようになります。

  • 15.2.3では、Preferencesのチェックを入れるとColorSyncが有効になり、QuickTime PlayerやFCPXと同じ発色にできる。15.2.2以前ではそうならなかった。
  • 15.2.3では、Preferencesのチェックを外すとColorSyncが無効になる。アプリケーションをResolve以外に切り替えるとビューワの色が異なって見える。

今回のDaVinci Resolve15.2.3での仕様変更によって、DaVinci Resolve独自のカラーマネージメントシステムはあるものの、一般的なQuickTime PlayerやFCPXなどではどのように見えるかを確認できるようになります。これまでは同じには再現できませんでした。AppleのColorSyncに準拠しているアプリケーションでの色味確認がResolve単体でもできるようになったわけです。ただ理解しておくべき点は、ColorSync準拠はRec709などの映像業界でのスタンダードとは同じではないことです。誤解を恐れずに言えば、ColorSyncを有効にしておけば、Appleデバイスであれば大きな誤差がでないことが約束される。と言えます。

今回の更新は、色に関する非常に重要な仕様変更です。この変更はユーザーにとってはありがたいものではありますが、使い方を間違えるとカラーシフトに直結するためバージョンアップ後の運用では念入りに注意されることをお勧めします。ただ、今後はこの機能を上手に使い分けることで、AppleのColorSyncとはこれまで以上に仲良く使っていけると思います。

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