MacBook Pro16とOBS

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Stay at Homeによってオンライン化が進みましたが、騒ぎが収束した後もこの流れは鈍化しないと思っています。私もこの春から「オンラインデビュー」を果たしたわけですが、その中で主要なソフトウエアになるOBS(Open Broadcaster Software)をMacBook Proで使う上で、私が学んだ経験則を紹介します。

OBSって何ですか?

まさに私がこの春に経験したのが、これでした。無骨でWindowsチックな変なヤツ。みたいな第一印象だったと思います。触れば触るほど、こちらの言うことを聞かないツンデレぶりです。ただ多機能であり、コミュニティーも活発なので、一定の評価があることは伺えます。

何回か他のツールに乗り換えようと模索しました。Ecamm LiveはMac版のOBSに相当するアプリでしたが、使いやすい反面配信のクオリティと安定面で挫折。vimeoにバンドルしているLivestream Studioは、まさしくプロに向けたツールで一目惚れしました。しかし、ここでも安定性に難がありで、本格採用には至りませんでした。Livestream Studioが安定して使えるのが一番理想的であると今でも考えています。早期の改善を期待するところです。そんなわけで、現在では実績ベースでOBSを使ってLive配信をしています。

MacBook Proで安定させるには

他の方とこの話題で議論したことはないので、一般論とまでは言えませんが、少なくとも私の環境では明らかに安定運用できるようになったので、参考事例としてご覧ください。まずは、主要なポイントを箇条書きにします。

  • Studio Modeは使わない
  • GPUではなくCPUでエンコードする
  • Sceneのリネーム確定はEnterキーを使う
  • 起動直後に動作確認して、変なら直ちにアプリの再起動をする
  • 極力OBSの配信情報に目を光らせる


一番目のStudio Modeを使わないのは、非常に不本意ではあるのですが、便利な機能を使って配信が不安定になるのでは本末転倒なので、安定志向を重視する結果です。スクリーンショットの上がStudio Mode無効で、下が有効です。仮に有効にしてみると歴然なのですが、CPUにかかる負荷が時間と共にどんどん増していきます。テストを行う時には、必ず本番の長さプラス20%くらいの長時間で試されることをお勧めします。これを踏まえるとStudio Modeの過負荷さがわかると思います。私のMacBook Proは2019年モデルのフルスペックに近いので、そんなに非力ではありません。にもかかわらず、配信の途中で息切れすることが頻発しました。その原因がこのStudio Modeでした。

なぜStudio Modeが良くないかは冷静に考えれば簡単なことで、OnAirモニターに加えて、Nextのプレビューも同時に処理しなければなりません。常に本番以外の準備にもパワーを割かねばならないのです。これでは、Macが息切れするのも無理はありません。これに至るまでには、何度かの本番トラブルを経験したことは残念なことでした。何事も痛い目に合わないと身につかないのは、今回も同じでした。

そのほかについても補足します。CPUを使う理由は、CBRではなくVBRになることでした。VBRでも問題ない配信プロバイダーを使うのなら試してみても良いかもしれませんが、そもそもStudio Modeを無効にすると、本番中でもCPUのゲージが10%前後なので、GPUに頼らなくてもOKということでもあります。

Sceneのリネーム確定はEnterキーを使う、というところも、アプリの変わった特徴でした。多分Windows環境から来た所以だと思います。MacではEnterキーを使う習慣が少ないので、このような問題が出ます。Sceneにリネームをして確定するにも、Returnキーでは確定できないのです。しばらくはTabキーでなんとか凌いでいましたが、他のSceneの名前が変わる不具合が起きるので、とても困っていました。そんな中で気がついた対処法がこれです。名前の変更後は、Fnキーを押しながらReturnキーを押すと、MacではEnterキーとして受け付けてくれます。

最後に操作の中で心がけることとして、配信の状況をステータスで常に可能な限り目を光らせておくのは重要です。そのような余裕はないと言われそうですが、不安定になる予兆は必ずここに現れます。後から後悔する前に早めに異変に気がつけるよう心がけることをお勧めします。

Statsの表示について

パラメータがタブの領域に所狭しと詰め込まれていて、直感的ではないと感じるかもしれません。これらの数値の意味について、解説しておきましょう。

CPU Usageは、MacのCPUがどのくらい頑張っているかの指針です。極端に大きくなっている場合には、画像処理とエンコードのどちらか、もしくは両方に処理が奪われています。続くFPSがCPUの負荷が高まると基準の29.97や23.98から一時的に下がることになります。

Average time to render frameは、1フレームの処理に必要だった画像処理の所要時間の平均です。29.97fpsの場合は、1,000msec割ることの30フレームですので、1フレーム33.3msecが制限時間となります。これに近づくと表示の色が黄色や赤に変わって、ただならぬ事態であることを示します。Frames missed due to rendering lagは、レンダリングが間に合わなかったために表示できなかったフレームの総数です。さらに、Skipped framed due to encoding lagは、レンダリング後にネットに送り出す映像と音声のストリームを作るエンコード処理で間に合わなかったフレームの総数です。このあたりの数が徐々に増えている場合には、過負荷であるわけですのでパラメータの変更などが求められます。

最後にDropped Framesは、先の処理で出来上がったストリームデータをネットワークのハードウエアに流し込む際に、サーバー側とのやりとりで間に合わなかった場合にここでドロップします。ここの数値だけが増える場合には、ネット環境が渋滞しているのでWiFiではなく有線に切り替えるなりの対策が必要です。それでも改善できない場合には、残念ですが対策は限定的になります。

ディスプレイの選択

私の場合は、DaVinci Resolveなどのアプリケーションの操作を説明することに加えて、解説スライドやカメラで自分を映すという、だいたい三つのソースを使っています。ここでは、それに関連するディスプレイの構成や設定について解説します。

使用しているMacBook Pro16だけでは、OBSとアプリケーションの操作を並行するのは無理があって、すぐに壁に突き当たってしまいました。これまでは、頑なにデュアルモニターを嫌っていたのですが、ここに来てそうも言っていられなくなりました。そんなわけで、セカンドディスプレイとしてAmazonでLCDパネルを購入しました。機種選定で求めたスペックは、第一に解像度でした。パネルのネイティブな画素はさておき、ディスプレイとしての表示領域が1920×1080を確実に表示できることが重要でした。1920×1200のLCDパネルも存在はしますしMacBook Proの比率はこちらの方です。同じにする選択肢もあったのですが、配信する動画の比率に合わせたかったので1920×1080は外せない点でした。1920×1200でアプリの操作をすると、両サイドに黒い帯が残ってしまうのを避けたかったわけです。

MacBook Proとの接続では、これまた四苦八苦させられました。当初は電源も同時に供給できる、USB-C接続に飛びつきました。外部ディスプレイ側にDCを接続しなくて済むのでケーブル一本だけでスッキリできます。しかし、これは大変なことを招いてしまいました。なんとMacBook Pro側で供給する電力を超過していたようで、ACアダプタが壊れてしまいました。幸いにもMac本体に故障は出なかっただけでも救いでした。実はこれはなかなか解決しなくて、結局予備のACアダプタも含めて、三回の交換修理をしていただくことになってしまいました。Appleのサポートにはとても感謝しています。

その後、接続をUSB-CからDisplayportに変更することになりました。これによって、別途DC電源用の接続は必要になりました。しかし、安定はしたものの電源を供給しているにもかかわらず、時間と共にMacBook Proのバッテリーが徐々に減っていくのです。多分2時間を超えるウェビナーでは最後に電源が足りなくなって強制終了となるでしょう。そんな事態には至りませんでしたが、とても不安感を持って使っていました。そして、至った解決策がHDMIでの接続でした。インターフェースによってこうも違いが出るものか、というのが率直な感想です。そうなんです、大きく違ったのです。DPがなぜ電力を多く消費したかは、おそらく表示画素数によるものだと思います。DP接続ではHighDPIになっていたので、Mac側でマネージする画素が多くなっていたようです。それが電力の消費につながっていたと見ています。HDMIで1920×1080にすると、純粋にその分だけの画素しかマネージしていないので、Mac側の負荷が小さくなっています。これで安定して電源問題もクリアになったのです。

さらに言うと、HDMI設定のデフォルトでは30Hzが上限でした。表示は問題ありませんが、マウスの動きがなんとものんびりしてしまい、操作感が良くありません。そこで、あるソフトウエアを使用して、強制的に60Hz出せるように変更して、スムーズにマウスが操作できるようになりました。

そして、マイクセッティング

書き出してみるとOBSに関連する要素はたくさんあるわけでして、追記追記の嵐になっています。そして、最後に私がライブ配信で最も重要だと考えていることについて書いて、締めにしたいと思います。それは、音声のクオリティです。動画で配信してはいますが、気持ちの中ではラジオの番組を一人ぼっちでやっている感覚なんです。どんなことを話すかの構成はもとより、マイクから取り込んだ自分の声をどうやってクリアに聞こえるように加工するかなど、映像のセッティング以上に気を配っています。実はまだ完全に満足できるレベルには達していませんが、ここまでの足跡として振り返ってみます。

スタートは、どなたでも同じだと思いますが、Macに内蔵のマイクを使いました。ヘッドセットもせずにスピーカーから音を垂れ流しているので、当然切り替え時に無音になることが頻発します。やっぱりマイクは必要だなあと思い購入したのが、SHUREのSM58です。実のところ何を選べば良いかの知識がなかったので、最初の一本でスタンダードなこれを選びました。もちろんこれに合わせてマイクスタンドも準備しました。キーボドとマウスを操作しながらになるので、卓上スタンドではなく立って使えるようなスタンドにしました。

何が厄介かと言いますと、なんせ防音設備のない自宅スタジオなもので、空調や換気の音、家族や愛犬の声などいろいろと「ノイズ」が遮断できません。そこで活躍するのが、オーディオフィルター処理です。ノイズゲートを使うのですが、ノイズ成分はきれいに消えるものの、自分が話し出すと後ろ側にノイズが気になります。さらに、ゲートの立ち上がりのレスポンスが、自分の声の大きさによって良くなかったりして、プロのナレーターとサウンドエンジニアの凄さを今更ながら感じているところです。

さらに、コンデンサータイプのマイクも買ってみたところ、全く個性が違うのですね。これまでこんな大きな違いがあるとは考えてもみなかったので、自分の知識の薄さに反省したわけです。そんなわけで、目下音声のクオリティを向上させることに心血を注いでいるところです。

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