JPPAスキルアップセミナー

先週の金曜日に新宿の東放学園で、JPPA(日本ポストプロダクション協会)主催のスキルアップセミナーに参加してきました。今回のテーマは、カラーワークフローをぶったぎる(笑)。タイトルからすると危なっかしくて乱暴な印象を受けると思いますが、主催者側の意図は全く逆で、現状に対して率直に意見を交わしたいのが趣旨でした。今回は講習を1パートと、後半のパネルディスカッションではモデレーターを務めました。その中で、感じて学んだことを振り返りたいと思います。

Scene Referredについての奥深さ

私はパート2を担当したのですが、パート1ではイマジカのエンジニアの方の講演でした。とても内容豊富で昨今話題のHDRや、私もテーマの一つで取り上げたScene Referredに関してとても深掘りされていました。本来は3時間くらいかけてじっくりと聞きたい内容を、小一時間にまとめられた苦労を感じていました。Scene Referredの部分を聞くにつけ、その後に控えている私のパートの内容が恥ずかしくなるような身の縮む思いでした(汗)。まだまだ私自身の理解度の低さを痛感したものです。色についてはもっと深く掘り下げたいと感じた次第です。

マスターモニターは伝家の宝刀ではない

これは私がパネルディスカッションの口火を切るための三つの提言の中の一つでした。まあこれだけ見ると突っ込みどころ満載ではあるのですが、私が自ら切られ役になるつもりで大胆にも打ち出した意見です。あくまでも、個人の意見です。

これを打ち出した意図を簡単に説明しておきましょう。おそらく現在の映像業界にいる方なら、少なからずこのように感じている部分も一面ではあろうかと思います。もしそう感じないのであれば、その方は放送コンテンツどっぷりなテレビ関係者か、もしくは少し時代の流れに鈍感なのでしょう。昨今Webコンテンツやデジタルサイネージのような、非放送コンテンツが増えてきています。にもかかわらず、なんでもかんでもマスターモニターでチェックしているのはいかがなものか?という趣旨です。当然放送番組を作る中では、マスターモニターが必要なのは言うまでもありません。

今回知った意外な事情として、放送局内部でもマスターモニターではないモニターでチェックを行うことが増えつつある点です。テレビのドラマも放送が終了すると再放送だけではなく、OTTでの配信が増えています。その場合には、9300Kのマスターモニターでチェックするのは妥当ではないため、別のモニターも使うのだそうです。

撮影とポストプロは近くなっている

これはある放送局の方の言葉です。なるほど、と私は強く同意しました。ファイルベースワークフローになって、この点はすごく進化したと思います。そのことを我々はもっと理解すべきなのですね。この現象によって、本来はこれまで以上に人間同士のコミュニケーションが密になるべきなのです。スタッフの相互乗り入れも増えるべきで、その点ではこれまで体験したことがない軋轢も生まれるでしょう。しかし、業界の中は勝手に変わっていくのです。その中に身を置く者としては無理して抵抗しても足を踏ん張り切れるものではありません。体質改善が求められているのです。

今回このお話を頂いたのは去年の12月で、当初は気軽に二つ返事で快諾したのですが、参加者は技術者バリバリの方ばかりのはず。年が明けて冷静になるとちょっと早合点だったかと悔やんだ瞬間もありました。しかし、少なくなかった刺激を受けて、その考えはどこかに消えていました。刺激を受けるのはとても大事であり、それをきっかけにして自分自身に磨きをかけていくのが技術者の進む道でもあります。

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