動画ビューワQlip2.0をリリースしました(追記)

去年活発に開発をしていた動画ビューワQlipでしたが、当初目標にしていた仕様をある程度カバーできたので、開発が止まったままになっていました。去年秋に公開されたmacOS10.15でもある程度は使えてはいましたが、ビューワでの色管理の仕様がOS側で変更になっていたので不具合を抱えていました。

ここに来てやっと重たい腰を上げて、メンテナンスをすることができたので更新バージョンを公開できるようになりました。新バージョンでの注意点などをご案内します。

動作環境を限定しました


以前のバージョンからお使いのユーザーの方には非常に心苦しいのですが、新バージョンの2.0からは動作できるmacOSのバージョンを10.15限定としました。この背景には、ColorSync周りの仕様が変わっている点と、MXF形式への対応を目論んでいる事情があります。

過去のバージョンのカバーしているmacOS10.13や10.14で使用することを希望される方は、旧バージョンをそのままお使いください。アプリ内からソフトウエアアップデートを実行しても、バージョン2.0が対象には含まれませんので、そのまま使用可能です。

追加/削除された機能

追加した機能は、セーフティマーカーの95%枠です。以前から民放の番組で使用されている95%を加えてほしいとの要望をいただいていたので、やっと対応できた次第です。お待たせしました。

削除した機能は、ソフトウエアアップデート機能です。AppStoreで公開しないために、新バージョンがリリースされたことを早期にお知らせしたい考えでこの機能を付けていました。しかし、この先のバージョンでは、ユーザーが選択したバージョンを自由に取り替えて使えるようにした方が良いとの考えから、面倒にはなりますが手動で更新していただくように変更しました。


さらに、Preferencesの中にあったColor Modeの切り替え機能を削除しました。これによる使い方の変更は下記に解説しますが、macOS10.15からColorSyncの仕様が変わっているようなので、それに合わせてQlipのビューワの発色に関する仕様も変更しました。これにより、これまで以上に柔軟なフォーマットへの対応が期待できます。


変更した仕様としては、メタデータのTransfer Functionの表示です。これまでは、メタデータに埋め込まれていた文字列を表示するだけでしたが、ガンマ値が埋め込まれている場合には同時にその数値も表示するように変更しました。この背景には、DaVinci Resolveが書き出すメタデータの仕様がバージョン16から変更になったという点があります。

ビューワの色管理の使い方

先に述べたように、以前搭載されていたColor Modeの切り替えができなくなりました。起動時にカラーチャートなどの明確なRGB値がわかるカラーパッチをColor Pickerなどで確認するとRec709であるべき値になっていないと思います。しかしご安心ください。対処法はありますし、これまでよりも正攻法な使い方になりました。


例えばビューワの色をRec709をターゲットにしたい場合には、システム環境設定のディスプレイを起動していただいて、Colorタブに切り替えてください。そこにはDisplay Profileのリストがありますが、その中からRec709/Gamma2.4に切り替えることでQlipのビューワ内の色が正確にRec709になるはずです。この辺りの動作確認は私の方で検証したのが限定的なので、まだまだ把握できていない点があります。バグレポートなどあればお寄せください。


バージョン2.0.1では、現在選択されているDisplay profileをQlipに表示するように機能を追加しました。プロファイルを切り替えると瞬時に変更を反映できるようになっているので、選択しているプロファイルを勘違いすることがないようにした配慮です。またプロファイルの切り替えはシステム環境設定から実行するので、少しでも早くアクセスするためにFileメニュー内にプリファレンスを開くメニューアイテムを実装しました。合わせてご利用ください。

最後に

Qlipは自分で気に入った動画ビューワアプリが見つからなかったので、自ら好みに合ったアプリを作ったという事情がありました。そのため開発のペースが安定していない点がありました。実仕事で使っていただいている方もいると伺っているので、その点では心苦しいところがありました。こちらの事情ではあるとは言え、気に入って使っていただいた方にはご不自由をおかけして申し訳なく感じています。

この先の目標は、macOS10.15でサポートしたと聞いているMXF形式への対応です。これができればQlipが目指していた機能はすべてカバーできます。当面は自分の時間をこの点に注ぎ込みたい考えです。まだ全く目処は立っていませんが、映像業界で本格採用され始めているファイル形式なので、なんとか対応したいところです。

おまけの情報としては、このバージョンからはAppleの公証に対応したので、野良アプリではありますがAppleのガイドラインに沿ったソフトウエアの作り方を踏襲している、つもり、です(汗)

以上、今回の更新とその背景にある部分を包み隠さずお知らせしました。ご意見や感想などありましたらコメントいただければ幸いです。アプリのダウンロードはこちらからどうぞ。

Qlip|2.0.1

2020年01月03日08:45(Color profile表示について追記)

「動画ビューワQlip2.0をリリースしました(追記)」への4件のフィードバック

  1. 贅沢な注文なのですが、

    任意のフレームで静止して、Export Image(コマンド+E)を試したところ、
    静止したフレームの画像と少しずれたフレームが書き出されるようです。

    もし、改善されたら嬉しいです!

    1. タカザワさん

      コメントありがとうございます。
      これは既知の問題でして、H.265などのフレーム間圧縮しているコーデックの場合に発生することを確認しています。この部分は、AppleのAPIをそのまま利用しているので、Apple側の対処待ちになってしまいます。多分改善は難しそうな感じです。

      私は、フレームのポイントが重要な場合にはProResに変換したクリップで実行しています。不自由をおかけしてすみません。

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