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デジタルゼロレベル問題

ネーミングは一般的ではないのですが、先日このような話題を知人から聞きました。もちろん私は初めて聞く話題で、さっそくGoogleで調べてみました。これはテレビCMの搬入時にちょっとしたことになって、この時期になって話題になっているとのこと。24bit音源から16bitへの変換など、ダウングレードする際に音質劣化を抑える処理がディザリングで、これによって無音であるべき部分にわずかにノイズ成分が混入してしまうことを当エントリーではデジタルゼロレベル問題としました。

背景にある技術

この話題について詳しく知りたい場合には、ディザリングで検索すると良いです。ティザリングではなく、ディザリングです。一般的に分解能が異なるデジタルデータ間で変換処理を行う場合には、デジタルのビットの中間のレベルに計算上ではなるのに、適切な値を得られず不正確になることが予想できます。このような場合の回避策として、人間の感覚の曖昧さを利用してノイズ成分を混入させてごまかして変換エラーをわからなくする方法があります。これがディザリングの原理だと私は理解しています。

映像では、デジタル一眼ムービーが登場した頃に経験しました。8bit映像ではどうしてもクオリティが得られなかったため、映像にわずかにノイズを加えることでシャープネスを維持していました。これはQuickTimeの内部処理でも使っていたことから、当時QTはクオリティが悪い、のように誤解していた方もいたかもしれません。

CM搬入界隈での話題

今回この話題を知ったのは古巣のポストプロでのことでした。CM搬入では完全な無音の部分が規定されていますが、実はこの「無音」の定義がはっきりしていません。聴感上で「音が入っていない」部分を当初は指し示していたと思いますが、その頃はアナログ時代。今となるともう少し厳格な規定が必要になってきたのかもしれません。

何らかの事情で完パケ以前にディザリング処理が加わった場合に、無音部分に僅かなノイズが残ることが確認されています。しかし、ピークメータなどを使った確認では、このノイズレベルを認識できないことがあります。したがって、この確認ではディザリングを起源とする微小なレベルの音、ここではノイズと呼んでしまいますが、それはスルーされてしまいます。

現実的には、この僅かなノイズ成分が混入していても「無音」としても問題にはならないことが大半だと私は個人的に考えていますが、厳格なことを望む分野では突き返されるかもしれません。

当面の対処は?

このディザリングによるノイズ成分は、レベルメーターでは表示されないことがあります。別の確認方法が必要です。こんな時には、手前味噌ですが私が作った動画ビューワQlip.appを使ってみてください。完全な無音、ここでの無音はデジタルレベルでも値かなレベルを指しますが、この部分を再生しているとオーディオメータ右側に「Silence」と表示します。これを使っていただければ、今回話題の真の無音なのかが判別できると思います。

一点課題なのは、現状でQlipはMXFフォーマットに対応していない点です。CM搬入ではMXF形式になるので、ダイレクトには確認できない点が申し訳ないところです。近日対処法を検討する予定ですので、ご容赦ください。

1 thought on “デジタルゼロレベル問題

  1. shige

    デジタル時代になっても音声処理にアナログのコンプとかを使っていたら極小レベルのノイズが乗ることがあります。
    納品規定に無音部分はデジタル的にゼロであることと明記している局もあり、一度-60dB程度のノイズが捨てカット部分に乗っていて技術試写で弾かれた事もあります。
    兎角デジタルは0か1かで中間の曖昧さは無いのです(笑)

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