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DaVinci Resolve15リリースで想うこと

今年のDaVinci Resolveは早めにリリースするような雰囲気をNAB明けから感じていましたが、8月上旬に正式版が登場しました。バージョン14.3の更新が止まった2月上旬から、本格的にバージョン15の開発に注力したと私は見ています。ちょうど半年間で、ここまでの大きなバージョンアップに到達したことは高く評価すべきです。正式バージョンが登場したタイミングなので、良いところだけではなく課題も含めて見ていきたいと思います。

真の総合的な映像アプリになるか?
カラーコレクションと言えばDaVinci Resolve。と言われ続けていたはずが、気がつくと本格的なエディティング、オーディオポスト、そして今回追加されたエフェクトの分野をカバーする壮大なアプリケーションに膨れました。アプリケーションがCDやDVDのような物理的なメディアではなく、ダウンロードによって配布する形態に移行してからは、ソフトウエアの規模がコンパクトになってシュリンクしてきました。AppleのAppStoreで入手できるアプリの大半は、コンパクトな構造です。巨大なアプリケーションの構造を持っているのは、DaVinci Resolveなど比率で言えば少数派です。そのような流れに逆らって、BMDはResolveをジャイアントなアプリに成長させてきました。Adobeのようなアプリケーションを分離することも考えていたのかもしれませんが、BMDの方針は重厚長大な方向性でした。

多くのソフトウエア開発者は、ライセンスをたくさん買ってもらう戦略で進めていますが、BMDの場合は単一のソフトウエアでさらに安価に設定。ソフト本体よりも、その周りに関連する製品で収益を上げようとしているのだと思います。その周りの製品では、BMDにはインターネットを使ったサービスという製品はまだ見当たらないので、そこにも積極的に進んでいくのか、ハードウエアメーカーとしての立ち位置を堅持するのか、個人的には興味はあります。

巨大なソフトウエアに膨れていけば当然バグの発生率は上がるので、安全に仕事で心配せずに使える状態を維持できるかで、ユーザーの評価は分かれていくでしょう。DaVinci Resolveはユーザーの層を限定はしていないものの、メインのターゲットはプロユーザーでしょうから、安定性は最優先してほしいところです。

課題はSoundとEffect
せっかく搭載されたFiarlightは、バージョン14では試運転の域を出なかったので、バージョン15以降でコンソールの製品化を追い風にできるかが正念場になります。ProToolsがデファクトスタンダードになっている中で、現実的な制作で実例をひとつでも増やしていけるかにかかっていると思います。過去にはポストプロで多用されていたFairlightですから、ゼロからのスタートではないはずです。Fusionはこれまですでに単独アプリとして走っていたので、一定のユーザー層は獲得していたはずです。AfterEffectsという巨人に対して、3Dに強いFusionが善戦できるかはまだ未知数です。

これらの後発である2つの「ページ」をColorが強力な吸引力になって、DaVinci Resolveワールドに巻き込んでいけると、映像制作のトレンドに変化ができるかもしれません。特に日本の製作は2020年以降は課題が多いと皆が感じているので、そこでポジティブに関係していければ個人的には嬉しいところです。わざわざ単一アプリにして巨大化した背景には、バージョン14から使えるようになった、コラボレーション機能に自信があるのだと思っています。さらにスクリプティングによって、外部からの自動化が使えるようになると、地味ではあるものの制作の効率化は計れるので、本来のクリエイティブに割ける時間が増やせる期待が持てます。個人的にもスクリプティングやコラボレーションの活かせるワークフローは、模索したいと思っています。

まずはEditページを本格利用したどうか
ここまで巨大化したが故に、これまで本格的に使ったことがなかったユーザー予備軍たちは、腰が引けてしまう心配が私にはあります。すごいソフトだけど、どこから始めれば良いかわかりずらい。そんな声が聞こえて来そうで正直心配です。そんなケースでは、まずはエディティングツールとしてEditページを本格的に使ってみてはどうでしょう、とオススメしたいです。Mac環境で見ると、すでにAdobe Premiere Proがデファクトスタンダードになっていますが、課題がいくつかあると感じています。何よりも無料バージョンでも本格的なエディティングが安心してできるアプリケーションとして地に足が着いているので、そこから始めてみるのはいかがでしょうか。

Colorグレーディングを本格的にやるのならDaVinci Resolve。これは日本国内を見る限り、定着したイメージだと思います。そこに行くまでの過程で、タイムラインの移行のトラブルに悩まされるのなら、Resolveでエディティングをやってみることは理にかなっていると思います。Colorでは存在感はあるものの、DaVinci Resolve Color Managed(RCM)の利点をまだ知っている方が少ないのも、とても勿体無いところです。Logカメラがここまで広まってきたからこそ、3DLUTを使うのではなく理想的な演算処理ができるRCMを使ってこそResolveのアドバンテージが活かせるのです。

個人的には...。
バージョン15のマニュアルは2632ページまで膨らんでいます。BMDの開発の進化に取り残されないよう、日々Resolveを多角的に観ていきたいと思っています。聞くところによると、Mac版、Windows版、Linux版の比率は、45:45:10だそうです。これは日本限定の比率で国が変われば、当然異なるそうです。アメリカは意外とMac版ユーザの方が多いらしいです。というわけで、私の知らないWindowsバージョンを使っている方と知り合いになれるとまた新しい展開が期待できるので、その方向も模索してみたいと思っています。

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