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色調整その前に

DaVinci Resolveでカラーコレクションの基礎を学びたいと希望する映像関係者は、微増ではありますが以前に比べれば増えてきていると感じます。去年からDaVinci Resolveのトレーニングコースで講師を務めるようになって、何回も講習を重ねてきました。その中で常に感じていたことがあります。それはプライマリーやセカンダリーのカラーコレクションの基礎知識を学ぶことと同じくらいに、モニターとソフトウエアのセッティングにも気を配るべきだということです。せっかく操作方法を学んでも、環境がまずければせっかく時間を費やしたルックも世に出せないものになります。

モニター調整の重要性を知ってもらうために一番手っ取り早いのは、未調整と調整後の両者を切り替えて比較してもらうことです。ひとの視覚はそれほど正確ではありません。特に絶対値を見極めることは簡単ではありません。それに対して相対値は比較的誰でも簡単に判別できるので、二者を比べることは有効です。映像制作の現状では、Rec709とsRGB、DisplayP3あたりをカバーしていれば困ることは少ないでしょう。Rec709は世界的なスタンダードである白色点6500Kと、日本固有の9300Kの二種類のセッティングは当面欠かせません。

日本の映像業界ではMacintoshを使うことが多いですが、購入時のセッティングのままで使っている方が多く、上記の各種スタンダードのセッティングと比較してみると違いの大きさにみなさん驚かれます。比較してみると一目瞭然です。Macintoshのモニターはそれなりに色の再現性はあるのですが、なんせ独自の発色制御をしているようなので、過度に信用すると足元を救われることがあります。要注意です。

モニターのセッティングだけ済ませば完全かといえば、そうではありません。そこに映像を送り出すソフトウエア側の方も忘れてはなりません。DaVinci Resolveではプロジェクト単位でカラーサイエンス設定を変更でき、入力・タイムライン・出力で個別のプロファイルを指定できます。この機能を利用すれば、Rec709のターゲット設定でプロジェクトを完成後に、sRGB向けのバージョンも難なく出力することができます。モニターにResolveから送り出すにはビデオI/Oも関係しますが、BMD製品を使うので、この部分での色に関するセッティングは不要です。

このようにモニターとソフトウエアのセッティングが正確にできていて、ユーザーがそれを意識して制御できていればカラーコレクション作業が安心してできるのです。この土台ができていないでカラコレのウンチクを垂れるのは、サングラスをかけて色調整をしているようなものです。こんなケースは自己満足になってしまうため要注意です。またモニターはEIZOなどのキャリブレーション対応の製品を使っていても、ソフトウエアがカラーサイエンス設定を持っていなければ、限定的な色調整になってしまうことも知っておくべきです。

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