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Appleが進めた三方良し

近江出身の商人が持っていた心得である三方良し。Apple製品を長年使ってきた身からすると、三方良しはAppleにも部分的に合致しているところがあります。iPodから徐々にはじまってiPhoneで開花した製品により、購入したユーザーの大半は満足度が高まったはず。そのヒットにより提供者であるAppleの株価もトップクラスを維持しています。これらを取り巻く世の中も、部分的には潤っているところもあるかもしれません。FCP7シリーズが広まっていったあの頃の映像業界も好影響は受けていたと言えます。

NABショーにAppleが出展していた頃、マーケティング戦略としてプロの映像制作者に自社の製品が最適だと訴えていました。フリーランスを中心に当時のラップトップPowerBookを購入、その中にFCPをインストールしてコンパクトな映像制作環境を手に入れました。その流れは今も続いていて、映像業界にMacユーザーが多い背景になっています。この頃はまさに映像業界はApple製品を使うことで三方良しになっていたと私は振り返ります。

時代は流れて現在を見てみると、三方悪しというのが率直な印象です。プラットホームであるMacは一定の有益な点をユーザーには提供していますが、FCPはユーザーの興味の的からは外れてしまいました。ほとんど満足させられていないのが現実です。それ以上に影響を与えているのがProResコーデック問題です。今やこのような問題の中心と業界からは考えられていて、ここまで業界に拡大したため他のコーデックへの乗り換えに困難を抱えています。提供者のAppleもプロビデオ業界との持ちつ持たれつな関係は期待できないので、映像業界への積極性はないのが現実ではないでしょうか。

本日付でProResRAWのためのバージョンアップが実施されましたが、この閉鎖感満載の斬新なはずのコーデックの姿が今のAppleの映像業界での立ち位置を明確に表しています。もはや映像業界への貢献や革新的な製品は期待できないのか。それとも映像業界自体がAppleから刺激を受けて変わらねばならないのか。そんなことを近江商人の三方良しを通して考えていました。

2 thoughts on “Appleが進めた三方良し

  1. akira_sapporo

    やっぱり今のApple経営陣には、ジョブズの時代の経営理念はもうない!

    今の経営陣の頭の中は「AR」でいっぱいで「Video」ではないです...
    だから「ゴッツくて拡張性あるマシン」ではなく「シンプルでコスト掛けずに高く売れるマシン」にしか眼中にない感じですね。(外付けGPUを制御できるmacOSを提供すること自体、拡張性を否定してますね!)

    「ProResRAW」もそんなコーデック扱うマシンがAppleから登場するとは思うけど、¥100万オーバーは必須ですね...

    AppleのVideoハードマシンは我々の手の届かない所に行ってしまいますね...
    Windowsマシンで結構ですよ!!笑

    返信
  2. yamaq

    今のAppleにJobsがいた時の思想がなくなったという点は、私は異なる見方をしています。それほど大きな変化はないと感じていて、しかし以前からのユーザーがそう感じるのはモバイルデバイスに注力しているからだと私は思います。私のようにMacがiPhoneよりも重要度が高い長年のユーザーには、心中嬉しくないところはあります(笑)

    ビデオ制作でMacを使うユーザーがMacに期待しても、「満額の払い戻し」は期待できないと思っています。であるならば、ユーザーの側で自身のリスクで良いのでハードウエアを拡張できるようにさえしてくれれば、というのが折衷案で落としどころに思います。しかし、Appleはある意味で「優しい」のでユーザーのそんな無茶なところにも気を配ってトラブルがないようにしなければと気を揉んでいるのでしょう。親心みたいなものです。eGPUの拡張ではもう少しユーザー側の冒険心を受け入れてほしいところです。

    私は余程のことがなければApple製品から離れることはないので、であればもう少し映像分野にも「優しく」なってほしいと思うばかりなのです。

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