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ProResRAWについて考えてみた

実際に実物に触れることで、それまで想像だけでイメージしていた世界とは次元が違うことを目の当たりにします。昨日のProResRAWの検証もそうでした。想像していた操作性はFCPによってRAWの「やっかいさ」払拭するでしょう。現実に見て触れてみて、改めてこの先のProResRAWについて考えてみます。

そもそもこれまで純粋なRAWデータで記録できるカメラがRED以外から出てこなかった背景には、ユーザー側でのハンドリングの悪さがありました。これはポストだけではなく、撮影でも同様です。REDが登場した直後の撮影現場での混乱が、それを示しています。RAWは純粋にイメージセンサーのありのままなので、自由にハンドリングができる、とは理解できてもその自由さにユーザーは戸惑う面もありました。自由は与えられて嬉しいだけのものではありません。苦しみも伴うのです。

メーカーから見ると、私はこう想像しています。RAWで記録できるということは、イメージセンサーの素の姿を世の中に晒すことになります。ディベイヤーの処理で少しでもクオリティを向上させる取り組みは現在も進化の途中にあるので、ノウハウの宝庫です。また開発の中での弱点を公開することにつながらないかの心配も出てくるのではないか。RAWのままでカメラの外にデータを放り出すことには少なからずの決意がいるのではないかと思っています。それを反映してか、現状でProResRAWをサポートしているカメラは、その上にハイエンド機が控えているミドルクラスのモデルばかりです。自社のハイエンドでは自社なりの記録方法を自信を持って開発しているので、こちらはこちらで独自にやります。のような声が聞こえてきます。

AppleはなぜProResRAWを公開しながら、扱えるアプリケーションをFCPに限定しているのでしょうか。まだ他の開発者に公開できる準備が整わずに公開してしまって間に合っていない説。いやそうではなく、Apple独自路線で進むための起爆剤にするため、映像系アプリで扱えるものはAppleの検閲が必要になる説。まずはリリースしてみて課題の多いRAWなので、業界の反応やユーザーの技量をみてからマーケティングは進めてみよう説。他にもあるかもしれませんが、私が想像できるのはこのくらいで、最後に揚げた様子を見ている説が私には現実ではないかと思います。

写真はRAWで撮ることがジャンルにはよるものの、異論がないところまで普及して定着もしてきたと思います。映像ではなぜRAWが写真ほど広まらなかったのか。それは今回書いてきた背景もありますが、なにかのきっかけによって一気に新しい世界に突き進んでいく可能性は残っています。ProResRAWが映像でもRAWが標準となる土壌に進むきっかけになればありがたいことです。これによってCinemaDNGも目を覚ましたり、他の新しいコーデックが出てきたりして、Logオンリーのところに新しい選択肢を示してくれると楽しくなります。

今回ProResRAWに触れてみて改めて感じたのは、Logワークフローが定着していてハンドリングはベストではないもののベターだったということです。とても使いやすくなっていたという現実でした。Logを否定しているわけではないのですが、技術の進歩に合わせてLog一辺倒だったところに別の風がでてきても良いのではないかと考えているだけです。ProResRAWがそのような転換点になったのであれば、過去から今を振り返った時に「やっぱりAppleだよね」と満足できるのですが。

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