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HDCAMの使い方

SONYさんから新品のVTRが購入できなくなって早いもので、間も無く2年が経過します。私の周りを見渡すと、VTRからのキャプチャはかなり少なくなったと聞いており、時々忘れた頃にVTRへの書き出しが発生する程度だそうです。完全に「テープレス時代」になる日はまだ先ですが、当然ながら使用頻度は右肩下がりで減少することは明らかです。その反面、だからこそ、忘れた頃に使わねばならないVTRの使い方については覚えておかないと冷や汗ものになります。
春になって新人教育でもVTRの使い方はまだ避けられない面もあり、ここだけは抑えておきたいVTRの基礎知識をまとめることにしました。

VTRのしくみ
現在主流で使われているのは、SONY製のHDCAMだと言い切って良いかと思います。HDCAM SRやPanasonic製品もありますが、VTRと言えば半分以上はHDCAMフォーマットだと思います。
テープ幅は1/2インチで、ビデオとオーディオトラックはヘリカルスキャンと呼ぶ、テープの走行方向に対して斜めに配置されたトラックに細く記録されます。これとは別にタイムコードとCTLトラックはテープの走行方向に平行に配置されています。これらのトラックは非常に細く、そこに対して正確に磁気ヘッドがトレースしなければ信号を読み書きできないので、VTRの動作はとても精密なのです。磁気ヘッドやテープの走行系に細かなゴミが付着するだけでも障害になりやすいことは肝に命じておくべきです。

サーボロック
ビデオテープは一定速度で移動し、それに対して回転磁気ヘッドも動いています。二つの動いているものを正確に合わせるためには、サーボロックを使ってモーターの回転を正確に制御しています。主なモーターは回転ヘッドが装着されているドラム、テープを順次送り出すためのキャプスタン、テープをドラムに一定の張力で押し当てるテンション、これらがサーボロックの主な対象です。
サーボロックに必要な基準信号は映像信号から生成され、VTRが再生している時と記録している時とで信号源は異なります。再生時にはVTRが基準とする外部リファレンス信号は、NTSCブラックバーストかHD三値シンクが使用されます。記録時にはSDI入力信号から生成された同期信号が使われます。VTRがどのモードになっているかでサーボのリファレンスを切り替えることが必要で、これを間違わないためにAuto設定があります。これにしておけば、記録時にはSDI信号、再生時にはリファレンス信号に自動的に切り替えてくれます。

タイムコード
タイムコードは映像の1フレームに対して固有のコードを割り当てるもので、タイムコード値を指定することで映像の部分を特定できるようになります。基本的に時間表現と同じですが、1秒以下の単位もありテレビでは1秒間の中に30種類(フレーム)のタイムコードを割り当てています。時計と同じなので23時59分59秒の1秒後は0時0分に戻ります。
タイムコードはVTR内部で発生させられるので、記録する時にはそれを使用するか(Internalモード)、外部からタイムコードを供給するか(Externalモード)を切り替えねばなりません。また、Assembleモードでつなぎどりを繰り返す場合には、編集点でタイムコードが連続するように制御しなければなりません。このためには内蔵のタイムコードジェネレーターをつなぎどりモードにセットします。HDCAMシリーズではこれをregenモードと表記しています。これに対して、一番最初に記録するタイムコード値をセットするためにpresetモードがあります。タイムコードを記録する場合には、このどちらのモードを使うかも切り替えなかればなりません。この設定もサーボロックと同じでAuto設定を使うことも可能です。

他にも知っておくべきことはありますが、初心者はここからはじめると良いかと思います。SONYさんのWebページからは登録すれば操作マニュアルは入手できるので、これも持っておくと良いです。基礎的な使い方はマニュアルに載っていますが、運用ルールはスタジオによって微妙に異なる流儀がありますので、その辺りは先輩方に確認しましょう。VTRの設定は間違うととんでもない事故になりますので、不安な場合には経験者の判断を仰ぐべきです。過度に恐れる必要はありませんが、軽率な操作も許されない点は心得て使ってください。

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